オーガニックガーデンへようこそ|エバーグリーン

user   2017年2月2日   オーガニックガーデンへようこそ|エバーグリーン はコメントを受け付けていません。

オーガニックガーデニング

初めまして。フリーランスでオーガニックガーデナーをしている花
房美香と申します。今回から、まだ世の中ではあまり知られていない
オーガニックガーデニングのことを、日々の仕事や暮らしを通して少
しずつお伝えできたらと思っています。

それでは、まず質問を一つ。

皆さん、ミミズはお好きですか?
 それも、ウジャウジャ大量に、のたくっているような……。

オーガニックガーデニングという言葉もナゾなのに、いきなりミミ
ズの登場です。けれど、誤解を恐れずに言えば、オーガニックガーデニング
とは、そんな大量のミミズたちが喜んで住み着いてくれるような土を
作ることなのです。そしてそんな土作りをすると、どんな世界が待っ
ているのでしょうか。

 

紫竹ガーデンとの出会い

そもそも、私がそんな土作りに目覚めたのは今から5年前です。場
所は、北海道は帯広郊外にある観光ガーデン「紫竹(しちく)ガーデ
ン」でのことでした。

メインのパレット花壇につらなるガゼボ@紫竹ガーデン

メインのパレット花壇につらなるガゼボ@紫竹ガーデン

 

それまでの私は、ベランダでプチトマトやハーブ、鉢バラを育てて
いた程度。ごくごく普通の日曜ガーデナーでした。にも関わらず、あ
る人生の転機とご縁のおかげで、いきなりそれまで働いていたIT業界
から足を洗って、紫竹ガーデンでガーデナー見習いを始めたのです。
東京から帯広へ。今から思えば、よくぞ移住したものだと我ながら
呆れてしまいますが。

そんな0スタートの私ですから、紫竹ガーデンでの毎日は、驚きを通り越してまさに衝撃でした。その最たるものが、草取りのたびに、ウジャウジャと土から湧き出てくるミミズたちです。のたくり、蠢(うごめ)く、親指ほどの巨大ミミズたち。あっちにもこっちにもモゾモゾと。
まさに、阿鼻叫喚の地獄絵。最初は恐る恐る眺めたものでした。

ちなみに、この『紫竹ガーデン』は、27年前に紫竹昭葉(しちく
あきよ)さんという当時63歳の一人の専業主婦が、私財を投げ打っ
て1万5千坪の土地を買い、木を1本1本、球根を1個1個、手で植え
作り上げてきた私設ガーデンです。そこでは開園以来一貫して、
無化学農薬、ほぼ無化学肥料で植物を育ててきました。今では来園
者数は年間10万人超。国内でも有数のオーガニックガーデンといっ
てもいいでしょう。

 

 

「ミミズと菌とリリパットのお花畑と」

その紫竹ガーデンで、ミミズとともに二大衝撃だったのが、花の
巨大さ、植物の大きさでした。例えばオリエンタルポピー。
花の直径がゆうに25センチ、高さは私の背丈ほどはあったでしょうか。
どのお客様も「おっきいわねぇ」「きれい!」「北海道
だから?」などと口々に驚かれるのです。

もちろん、大きいのは他
の花たちも同様です(すべてではありませんが)。「まるで、ガリバ
ー旅行記に出てくる小人のリリパット国に、ガリバーが花畑を持ち
込んだかのようだわ」。そんな空想をしながら、「なんでだろう?」
と私も思っていました。

ある日、その疑問を解いてくれたのが、現場を取り仕切る専務さん
の一言。

「ウチはね、土がいいからよ(笑)」。
「え、土? あの
ミミズがいっぱいの? でもそれがなんで?」

 

150メートル以上続く、宿根草のボーダーガーデン@紫竹ガーデン

150メートル以上続く、宿根草のボーダーガーデン@紫竹ガーデン

 

そこからです。“ミミズ道”
ともいうべき、私のオーガニックガーデナーへの道が始まったのは。
土壌微生物のことや植物生理学、有機農業の手法などなど、地道に勉
強をするようになっていきました。

植物は、太陽光を浴びると水と空気中の二酸化炭素から酸素を作り、
根からは成長のための養分として、窒素やリン、カルシウムやマグネ
シウムのような無機元素を吸収して、有機物である自らを形作ってい
ます。

その有機物である植物は、やがて落ち葉や枯れ枝になって土に
還ります。そしてまた、植物は上記の無機元素を土から吸い上げて成
長をするのです。

 

ここまではいいですね?
でもさらっと書いた「土に還ります」、ソコが肝なのです。なぜ、
土に還るのか。そこに、ミミズたち(土壌動物)がいるから。土壌微
生物たち(菌類、細菌など)がいるから、なのです。彼らが有機物を
エサとして食べて無機のフンとして土中に出す。有機物の無機化(分
解、合成)という大仕事を黙々としてくれるからこそ、生命に必要な
元素は、土、空気(大気)、海の間を途切れることなく、植物や動物
を育むものとしてぐるぐる循環していけるのです。

この続きはまた次回にお話ししますね。

 

(オーガニックガーデナー 花
房美香)


150メートル以上続く、宿根草のボーダーガーデン@紫竹ガーデン