[河津桜]「草木花 × 桜の故郷」〜伊豆・河津町で河津桜のルーツを訪ねる|エバーグリーン

user   2017年2月8日   [河津桜]「草木花 × 桜の故郷」〜伊豆・河津町で河津桜のルーツを訪ねる|エバーグリーン はコメントを受け付けていません。

まだまだ寒さ厳しい日が続いていますが、ひと足早く春の訪れを感じられる静岡県の河津町へ行って来ました。エバーグリーンのユーザーのかたなら、河津町と聞いてもちろん「!」と思われることでしょう。そうです! 河津桜は、オオシマザクラカンヒザクラが自然交配された早咲きの桜。河津町の故飯田勝美さんが昭和30年頃河津川の河原で偶然見つけた苗を自宅に持ち帰ったのが最初とされています。その苗は、今でも河津桜の原木として、飯田さんのお宅の前で見事な花を咲かせています。 今回は、かわづのふるさと案内人会々長の板垣秀実さんに、河津川沿いの桜並木を中心とした「河津桜コース」を案内していただきました。

かわかわづふるさと案内人板垣さん

かわづふるさと案内人の板垣さん

 

河津桜のルーツを訪ねる

さぁ、待ち合わせ場所の河津桜観光交流館をスタートです。「今年は河津桜の開花が早い」という板垣さんのお話に期待が膨らみます。

河津桜コース

河津桜コース地図

 

最初に訪れたのは「かじやの桜」(コース地図番号1)。 「かじやというのはここのお宅の屋号です。河津には同じ名字の家が多いので、それぞれに屋号があったんですね。こちらのお宅は昔、鍛冶屋をやっていたので屋号が”かじや”なんです。この桜は植えてから40年以上経っています。植えた場所が広いので、河津桜の特徴である横に開いたこんもりしたきれいな形に育っています。個人のお宅ですが場所も広いので、すぐ目の前で桜の花が見られます」(板垣さん)

取材時(1月末)のかじやの桜

取材時(1月末)のかじやの桜

満開のかじやの桜(河津町観光協会提供)

満開のかじやの桜(河津町観光協会様提供)

 

次の桜スポットに行く途中には、360種1万4,000本のカーネーションが咲く「かわづカーネーション見本園」(コース地図番号2)、平成4年の巨樹調査で日本で19番目に太いとされている川津来宮神社(杉桙別命神社・すぎほこわけのみこと)(コース地図番号3)の大楠も見られます。

 

 

途中、河津桜の苗木を見かけました。オオシマザクラの種を撒いて鉛筆くらいの太さになったところで河津桜を接ぎ木して増やしているのだと、板垣さんが教えてくれました。

オオシマザクラに河津桜を接ぎ木して苗を作る

オオシマザクラに河津桜を接ぎ木して苗を作る

 

そして、河津桜の原木とご対面(コース地図番号4)です。こちらも個人のお宅の桜ということで、目の前を自動車がビュンビュン走って行きます。訪れた1月の終わりはまだ一分咲き。大きく伸びた枝のツボミたちは、今か今かと花開く日を待っているように思えました。

この木が河津桜のルーツです

この木が河津桜のルーツです

満開の原木(河津町観光協会様提供)

満開の原木(河津町観光協会様提供)

 

「昭和30年頃、この原木のある飯田さんのご主人が散歩の途中で偶然見つけた桜の若木を持ち帰ってここに植えたのがまさに河津桜の始まりでした。それから10年後ようやく花が咲き始めたこの桜こそが河津桜のルーツ。昭和49年に「河津桜」と命名、昭和50年には町の木に指定されました。それからどんどん増やしてきたのだそうです。「この原木も、河津桜と命名される前は、この家の屋号から”小峰桜”と呼ばれていました」(板垣さん)

 

ガイドさんのオススメスポットその1:豊泉橋

上流、下流どちらを眺めても桜並木が広がるオススメスポット

上流、下流どちらを眺めても桜並木が広がるオススメスポット

 

いよいよ河津川沿いの全長4キロ、約800本の河津桜が植えられている桜並木へ。豊泉橋から上流に向かって歩き始めます。この豊泉橋からは、川の両岸にある桜並木が眺められる板垣さんのオススメスポットです。この取材の窓口になってくださった河津町観光協会飯田寿枝さんも、豊泉橋からの眺めがお気に入りだと話していました。

思わず足を止めて写真を撮りたくなります(河津観光町協会様提供)

 

 

ガイドさんのオススメスポットその2:田中親水園地辺りの河原

河原から菜の花、桜並木を見上げられる

「普通、河津桜を見るのは、上からや横からだと思うのですが、この田中親水園地辺りでは、階段から河原に降りることができますから、下から桜を見上げることができるオススメスポットです。河原でお弁当を食べながら、桜を眺める人もいらっしゃいますよ」(板垣さん)

 

 

ガイドさんのオススメスポットその3:涅槃堂裏の桜見晴台

涅槃堂裏手の桜見晴台から河津川を望む

涅槃堂裏手の桜見晴台から河津川を望む

通常のコースを少し外れて、板垣さんオススメの新しい桜スポットへ案内してくださるとのこと。向かった先は涅槃堂(ねはんどう)。その裏に昨年できたという桜見晴台があります。小高い山の中腹の見晴台からは、河津川沿いの桜並木やその向こうの峰温泉大噴湯を望むことができます。まだあまり知られていないためか、人の数もそれほど多くなく、またベンチも置いてあるので、人混みを避けてゆっくりお花見ができそうです。涅槃堂の手前には、週末にだけ開く売店やトイレも。同じように桜並木の全景を見たい方には、少し歩く距離は長くなりますが、城山もオススメだそうですよ。

 

そこからまた河津川へ戻り、音蔵の桜から桜トンネルへ。この辺りは、桜まつり期間中はライトアップされ、昼間とはまた違った景色が楽しめるといいます。

桜のトンネル

桜のトンネル

 

ガイドさんのオススメスポットその4:かわづいでゆ橋

いでゆ橋付近上空から(河津町観光協会様提供)

いでゆ橋付近上空から(河津町観光協会様提供)

そして板垣さんオススメの次のポイントは、かわづいでゆ橋です。河津川の上流を背にかわづいでゆ橋に立てば、両岸の桜並木をバックに写真が撮れるとのこと。少し早起きして、日中の混雑を避けた朝のうちに撮影してはいかがでしょう?

 

 

次に樹齢千年といわれる国の天然記念物である新町の大ソテツ(コース地図番号6)を見学。雄雌があるソテツですが、なぜか伊豆にあるソテツはほとんど雌木だといいます。植物の不思議です。そこから峰温泉大噴湯公園コース地図番号7)へ。あいにく休業日でしたが、湯ノ華が詰まらないようにと職員の方がパイプの中を清掃されていました。

新町の大ソテツ

新町の大ソテツ

 

地域の人びとにより守られている河津桜

河津川沿いの来た道を戻り、菜の花ロードを通って、スタート地点の河津桜観光交流館へ。その途中、少し気になったことがあります。川の両岸を埋め尽くした河津桜ですが、ところどころでちょっと弱ってきているのかなと感じる桜に出合うことがあるのです。

「今までは植えたままで剪定もしてこなかったんです。去年から河津町が養成し始めた河津桜守人河津桜の会のボランティアが剪定を始めました。海に近い方から始めて100本くらい剪定したようですが、何せ川沿いだけで800本ですからね……。切った桜の木はまちづくりを推進するNPOがチップにして燻製を作り始めたそうです」(板垣さん)

海から剪定を始めたが……

海から剪定を始めたが……

 

そして気になる河津桜の開花期間。「花の命は短くて…」と詠まれているように、桜の花の寿命はせいぜい1週間から10日。毎年、約1カ月続く河津桜まつりの間、途中で全部の花が散ってしまうなどということはないのでしょうか。

「河津桜は咲いている期間が他の品種に比べてずっと長いですし、この河津川沿いでも木によって、また同じ木でも花の咲く時期が少しずつずれていくんです。それも年によって変わるから不思議ですね。最初は濃いピンクの桜の花の色も時間が経つにつれてだんだん薄くなっていくので、ピンクの濃淡もあってそれもきれいですね」(板垣さん)

同じ木でも花の咲く時期は異なります

同じ木でも花の咲く時期は異なります

 

まだ河津桜は一分咲きでしたが、見たり、聞いたり、桜をすぐ側で感じられた充実の時間でした。
今でも月に1度は勉強会や他の地域の案内人さんたちとの交流会を開催したり、河津を訪れる人のためにさまざまな角度から学びを続ける案内人の板垣さんや、「河津桜守人」、「河津桜の会」の皆さん、そして河津に住むすべての人が、河津の町と河津桜を愛し、次の世代に繋げようとしていることが伝わって来た2時間でした。

河津町では、河津桜の酵母を使ったお酒お饅頭河津桜の花の塩漬けなど、河津桜を使った6次産業化を推進しているそうです。

 

河津桜まつりに出かける際のアドバイス

最後に板垣さんから河津桜まつりにいらっしゃる方へのアドバイスです。

  1. 河津桜まつり期間中は混雑が予想されます。できるだけ車は避けて電車を利用することをお勧めします。
  2. 河津桜まつり期間中はまだ寒暖の差が大きいため、脱ぎ着が可能な服装でお出かけください。
  3. 河津駅を降りてすぐ始まる桜並木、そして、河津川沿いには、飲食店や土産物など、たくさんの露天が並びます。
  4. 期間中は桜並木、名木のライトアップも。2月24日には河津桜ナイトウォークが実施される予定です。

実際にコースを歩いた編集部からは ……。

  1. 思いの外長い距離を歩きます。スニーカーなどはき慣れた靴がオススメです。
    同じような道、景色など、似たような風景が続くので、気を付けていないと迷子になるかも。
  2. 地図を入手して、もしも家族や友達とはぐれたときの待ち合わせ場所を決めておくことをオススメします。

河津桜がいっぱいの河津桜まつりは間もなく開催されます。ピンク色に埋め尽くされた河津へ出かけてみませんか?

河津桜まつり(河津観光協会様提供)

河津桜まつり(河津観光協会様提供)

 

第27回河津桜まつり
開催日:2017年2月10日(金)〜3月10日(金)
河津桜開花情報テレフォンサービス:0558ー34ー1560
問い合わせ:河津町観光協会:0558ー32ー0290

 


満開のかじやの桜(河津町観光協会様提供)